まだ初夏のある朝のことです。布団から出てきたノン・プーが、私の顔を見るなり泣きじゃくります。
寝起きに機嫌が悪いことがよくありますので、その時もそんな感じだろうと思って最初に気にしませんでした。しかしあまりにも泣き止まないので、詳しく話をしてみることにします。すると
-パパ、海に行っちゃだめ
-パパ、死んじゃう
というのです。どうやら一緒に海に出かけて私が死んでしまうという夢を見たようなのです。その時は、そんな夢を見たんだという程度にしか考えていませんでした。
ところがそれからと言うもの、何日経っても何かがあるたびに「パパ、死んじゃうから海に行っちゃだめ」というのです。そう何度も言われて改めて考えると、ノン・プーを海水浴に連れて行ったことがないことに気が付きます。
これまで何度かプールには連れて行っていますが、海水浴は連れて行ったことがありません。それどころか砂浜にさえ殆ど連れて行ったことがありません。それにも関わらず海難事故に関して警告してくるというのは、気になってきました。
小さな子供はスピリチュアルな感覚を持ち合わせている場合があります。そんな風も考えると、今年は海水浴に行くのはやめておこうか、そんな気分になり結局海水浴には今年も無縁な我が家でした。